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  • 執筆者の写真clue journey

story of untitled-soda

更新日:2020年7月28日

今更思い出したってしょうがない。


何度そう思ったってこの想いは消えてくれない。


あの頃、いつ咲くかな、なんて楽しみに待っていた桜の木は、もう葉が生い茂っていて、次の春の準備を始めている。


花ですら次へと進もうとしているのに、私ときたら。


水たまりに映る私は私のようで、私ではない何かに見えた。

「あなたは本当に私なの?」


呟いてみるけれど返事はない。


一人で抱え込むなんて私らしくない。


私自身もそう思う。


君が隣にいてくれた頃の私と、水たまりの中の私。


別人みたいだ。


いや、実際そうなのかもしれない。


昨日見たアニメで泣いたこと

いつもよりTwitterにいいねが多かったこと

前髪がいい感じに切れたこと

スマホケースを変えたこと

君の寝息が愛しかったこと


今はいいことしか思い出せないけれど、きっと嫌なこともたくさん君に話してたんだ。


だから私は、抱え込んでるって、思わなくてすんでたんだ。


本当に今更だなあ。


気づけば雲の切れ間から陽が差していて、水たまりの中の私も少しだけキラキラと輝いて見えた。


こんな顔でいてはきっと紫陽花にすら笑われてしまうや。


日焼け止めを塗り忘れていたことに気づく。


今更だなあ、と数分前と同じようなことを思いながら、シャツの袖をまくり、私は歩き出した。



著 たかみ #journeyclue_story

https://youtu.be/Z6qaP3qdEN8

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時間が、ない。 いつからだろうか、そんな風な思いが頭の隅のひと部分をずっと占めている。 難病を患い、死期が迫っているわけでもない。まだ24なので、高齢というわけでもない。 それでも常に、そんな風な思いがある。 小さい頃は、周りの子供より自分は大人だと信じていた。だからわがままも我慢できたし、クッキーの最後の一枚は譲った。周りの友達の間に入って、喧嘩がひどくならないように動くこともあれば、気持ちが落

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